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BADASS ROOKIE〜BMイチ押しのNEWCOMER〜 – shizupi[wagamama]

  • Question:Koji Kano

聴いた人がコピーしたくなるようなベース・ラインを作りたい。

「無問題」Official Music Video

━━新作EP『EVER DANCING FLAMINGO』にはシンセ・ベースで録音された楽曲もありますが、エレキ・ベースとシンセ・ベースを使い分ける判断基準とは?

 今作では「泣いちゃうけどさ」でシンセ・ベースを使用しました。ロックなサウンドにしないようにするため、そして音の隙間をより作るためにエレキ・ベースではなくシンセ・ベースを選択しました。

━━今作では、全篇にわたってキャッチーかつファンキーなベース・プレイが楽しめます。wagamamaのベース・ラインを作成する際、どのような点にこだわりを持っていますか?

 聴いた人がコピーしたくなるようなベース・ラインを作りたいなと思っています。なので“ちょっと派手に!”を心がけています(笑)。

━━今作で特に印象に残ったプレイが「オシマイ」でスラップ・リフです。このプレイはどのようにインスパイアしたのか教えてください。

 この曲はデモの段階でほぼ完成系のスラップ・リフの打ち込みが入っていました。“デモは1番も2番もコピペで全部同じだから好きにアレンジして弾いて”といちろーさんから投げられたのですが、エモい楽曲のなかで、ベースだけ淡々と同じリフをループしていくのがカッコいいなと思ったので、あえて全部のサビで同じフレーズを弾きました。

━━今作に関して、読者に向けてベースの聴きどころを挙げるなら?

 「CHOCO POP」はベース・ラインが主役と言ってもいいくらいベースが前に出ている楽曲となっていますね。wagamamaの楽曲って、歌い上げるような味の濃い歌メロがほとんどなんですけど(笑)、この曲に関しては“バレンタインに向けたポップでスイートな曲”というテーマがあったので、あえて爽やかで流れるようなメロディにしてあるんです。ビートも一定で展開もあまりない曲なので、一曲通して聴いたときに飽きが来ないようにベースは弾き倒してほしい、といういちろーさんのオーダーで好き勝手弾かせてもらいました!

━━今作の録音で使用した機材を教えてください。( 一部モデルの画像は、“BASSIST FILES”をチェック!)

 ベースは、フェンダー・カスタムショップのジャズ・ベースとプレシジョン・ベースを使い分けました。アンプはアンペグのPF-50T(ヘッド)とPF-210HE(キャビネット)のセットですね。シンセ・ベースに関しては、u-heのREPRO(シンセの音源ソフト)で打ち込んでいます。

━━ライヴではNeural DSP製Quad Cortex(フロア型モデラー)で音作りしているそうですね。導入のきっかけとお気に入りポイントを教えてください。

 数年前まではコンパクト派だったのですが、先輩がQuad Cortexを使っているのを見て導入を決めました。EQの設定がプラグイン用に表示されるところや、インプットがふたつあるのでエレベとシンベを各々インプットに挿して、それを最終的に同じアウトから出力できるところが気に入っています。

━━「EVER DANCING FLAMINGO」でのベース・プレイを振り返り、どのように実感していますか?

 音楽的にベースのフレーズが重要な曲が多いので、バンドの核になれるような演奏ができたと思います!

━━最後に、今後の目標を教えてください!

 バンドがもっと大きな舞台に立てるように頑張ると同時に、私自身ベーシストとしてもっと成長できるよう、これからも毎日ベースを練習し続けます!

MY ROOTS ALBUMS

『24K MAGIC』(2016年)
ブルーノ・マーズ

このアルバムの曲はほぼ全曲エレキ・ベースでコピーして練習していました。アメリカで参加していたバンドでも、「24K Magic」や「Finesse」はよく演奏していましたね。

The Beautiful Game』(2016年)
ヴルフペック

アメリカのバーで演奏していたとき、話しかけてくれたお客さんが“ベーシストならコレ絶対聴いたほうがいいよ!”って教えてくれたヴルフペック。歌よりベースの存在感強くて衝撃を受けました。

『SUPERBLOOM』(2020年)
ミスターワイヴス

これはベーシスト目線ではなく、ただただ大好きなアルバム。この頃のミスターワイヴスになりたい。

Profile
シズピ●5月5日生まれ。2014年にソニーミュージックよりChelsyのベーシストとしてメジャー・デビュー。Chelsyの解散後、単身でアメリカに移住し音楽活動を行なう。帰国後に友人であるいちろー(ex.東京カランコロン/g)、中江太郎(butterfly inthe stomach/d)と共に楽曲制作をしていくうえでシンガー・ソングライターのリョコ(vo)と出会い、2022年に4人でwagamamaを結成。現在はバンド活動と並行してさまざまなアーティストのライヴ・サポートやレコーディングなど精力的に活動中。wagamamaは2024年6月19日に3rd EP『EVER DANCING FLAMINGO』をリリースした。

◎Information
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