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【Live Report】 Nothing’s Carved In Stone – 2021年2月27日(土)/東京・新木場STUDIO COAST
- Report:Koji Kano
- Photo:Ryotaro Kawashima
Nothing’s Carved In Stone
BASSIST:日向秀和
●2021年2月27日(土)●東京・新木場STUDIO COAST
“三度目の正直”で魅せた
圧巻の『PARALLEL LIVES』再現ライヴ
Nothing’s Carved In Stone(以下、NCIS)が2月27日(土)、東京・新木場スタジオコーストにて【SPECIAL ONE-MAN LIVE “BEGINNING 2021” feat.『PARALLEL LIVES』】を開催した。今回のライヴはタイトルのとおり、NCISが2009年に発売した1stアルバム『PARALLEL LIVES』の全曲再現、加えてその他代表曲を散りばめたこの日限りのスペシャルな内容となった。本公演はもともと一年前の2020年2月27日に開催が予定されていたのだが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、2度の延期を余儀なくされていた。我慢と苦境を乗り越えてこの日を迎えた4人がどんなパフォーマンスを見せるのか。そして弊誌でもおなじみのベーシスト、“ひなっち”こと日向秀和のベース・プレイにも注目が集まった。
この日を待ちわびたファンの熱気が高まるなか、定刻どおり暗転とともにSEが場内に響く。まずステージに現われたのは大喜多崇規(d)。SEのシンセサイザーのリズムにドラムを重ねていく。次に登場したのはひなっち。大喜多のビートの上にリズミカルなスラップを巧みに重ね、“リズム体”が完成した。続いて登場した生形真一(g)が重厚なギター・サウンドを重ねると、最後に村松拓(vo,g)の歌声が重なる。オープニング・ナンバーは「Blow It Up」で、息を飲む掛け合いから、ひとつの楽曲ができ上がっていく様を見事に表現してみせた。その後は立て続けに、メロディアスなベース・ラインが光る「Like a Shooting Star」、アップテンポなキラー・チューン「Spirit Inspiration」とライヴでの定番曲をドロップ。会場のボルテージが一気に上がっていく。
数十秒間の暗転とSEの間にステージ後方のスクリーンに1stアルバム『PARALLEL LIVES』のジャケットが映し出され、大喜多のドラム・カウントともに投下されたのは、彼らの代表曲であり『PARALLEL LIVES』の1曲目に収録されている「Isolation」。ここから『PARALLEL LIVES』の全曲再現へと突入していく。「Silent Shades」「Same Circle」と収録順に進み、「November 15th」では、ひなっちはベースをPBタイプに持ち替え、この日初めてのピック弾きを披露した。また同時に後方のスクリーンには過去のライヴでの「November 15th」の映像が流れる。彼らがこれまで歩んできた12年間の軌跡を改めて実感できる演出だ。また、生形の美しいアルペジオから始まった「Diachronic」ではスクリーンに映し出された映像とのコントラストにより、場内が幻想的な雰囲気と化した。続く「New Day」では彼らのオフ・ショットをはじめ、これまでの活動をとらえたスライド・ショーが流れる。デビューから12年、名実ともに日本のロック・シーンを牽引する存在となったNCISの原点となった『PARALLEL LIVES』がドラマチックに演出された瞬間だった。以降、変拍子を駆使した壮大なナンバー「Words That Bind Us」、ロー・テンポでしっとりとしたが空気感が心地いい「Sleepless Youth」で場内はしっとりとしたムードに。いよいよ『PARALLEL LIVES』も残すところあと2曲。「Tribal Session」「End」というストーリー仕立てのインストゥルメンタルを途切れなく演奏したところで『PARALLEL LIVES』の全曲再現は幕を閉じた。2009年にリリースされた本作が、12年という年月を経て新たなアレンジが加えられながら確実に“進化”を果たしていることを実感させられた。
さあここからは本篇の終盤戦だ。暗転&SEのなかで鳴り響くのはひなっちのファズ・ベース。それが次第に聴き覚えのあるメロディに形を変える。「Gravity」だ。攻撃的な一曲で会場の雰囲気が一転したところで、村松の“踊れー!”の叫びともに投下されたのは「Out of Control」。エンヴェロープ・フィルターを駆使したひなっちのベース・ソロが勢いをさらに加速させる。「In Future」ではひなっちと村松が向かい合って演奏するパフォーマンスを披露し、ふたりのはにかんだ笑顔が印象的だった。ここまで一切のMCなしでやってきた4人だが、ここで少々のブレイク。大喜多のリズミカルな4つ打ちのバック・ビートの上で村松が語る。“今日ここに集まれたのは一番嬉しい奇跡かなと思っています”。2度の延期を余儀なくされた本公演、やはり特別な思いが込められているようだ。その後、“まだまだ楽しんでいけますかー!”という村松の叫びとともに「きらめきの花」のイントロが鳴らされ、サビでは会場が一体となり腕を振る美しい光景が広がった。本篇ラストを飾った「Beginning」では、ひなっちのバッキバキのスラップ・プレイが冴えわたった。
アンコールを求める手拍子に呼び出されてステージに戻ってきた4人は、この日のために『PARALLEL LIVES』のジャケット写真を撮り直したエピソードなどを披露。そして、近況の活動報告とともに嬉しいニュースがアナウンスされる。3月17日にデジタル・シングル「Wonderer」のリリースと、それに伴う全国ツアーの開催だ。“僕らは音楽をとおして、みんなとつながってる。ここから先も俺らに期待してください”という村松の力強いコメントで締め括った。そしてアンコールとして演奏された「Dream in the Dark」では、ひなっちはESP製の赤いシグネイチャー・モデル「“RED 極” Hinatch Custom」を使用し、メロディアスなベース・プレイを奏でた。
2度の延期を余儀なくされ、“三度目の正直”となった本公演からは日本屈指のライヴ・バンドであるNCISの自信とプライドを垣間見ることができた。シングルのリリースを始め、23日東京・渋谷CLUB QUATTROから始まる全国ツアーなど、2021年の彼らの同行に注目していきたい。
■2021年2月27日(土)@東京・新木場スタジオコースト
セットリスト
01.Blow It Up
02.Like a Shooting Star
03.Spirit Inspiration
04.Isolation
05.Silent Shades
06.Same Circle
07.November 15th
08.Hand In Hand
09.Moving In Slow-Motion
10.Diachronic
11.Thermograffiti
12.New Day
13.Words That Bind Us
14.Sleepless Youth
15.Tribal Session
16.End
17.Gravity
18.Out of Control
19.In Future
20.きらめきの花
21.Beginning
アンコール
22.Dream in the Dark
■Wonderer Tour
2021年3月23日(火)東京・渋谷CLUB QUATTRO 開場17:45/開演18:30
2021年3月24日(水)東京・渋谷CLUB QUATTRO 開場17:45/開演18:30
2021年4月4日(日)神奈川・YOKOHAMA Bay Hall 開場16:45/開演17:30
2021年5月7日(金)広島・広島CLUB QUATTRO 開場17:45/開演18:30
2021年5月12日(水)愛知・名古屋CLUB QUATTRO 開場17:45/開演18:30
2021年5月22日(土)福岡・DRUM LOGOS 開場16:45/開演17:30
2021年5月25日(火)大阪・梅田CLUB QUATTRO 開場17:45/開演18:30
2021年5月28日(金)北海道・札幌PENNY LANE24 開場17:45/開演18:30
2021年6月12日(土)大阪・なんばHatch 開場16:30/開演17:30
2021年6月13日(日)愛知・名古屋ダイアモンドホール 開場16:30/開演17:30
2021年6月22日(火)東京・EX THEATER ROPPONGI 開場17:30/開演18:30
2021年6月23日(水)東京・EX THEATER ROPPONGI 開場17:30/開演18:30
チケット料金:5,500円(税込/ドリンク別)
※学生の方は会場にて学生証提示で2,000円キャッシュ・バック
※高校生以下の方は会場にて学生証提示で3,000円キャッシュ・バック
※未就学児童入場不可
※スマートフォン対応電子チケット(スマチケ https://eplus.jp/sf/guide/spticket/)のみ取り扱い
※新型コロナウイルス感染症の予防対策を講じたうえでの開催
→オフィシャルHP先行(https://eplus.jp/ncis2021hp/)
・5月、6月公演期間
3月21日(日)23:59まで(抽選)
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