NOTES
オクターヴ奏法って、ギターだとオクターヴを重ねて同時に弾く奏法のことですけど、ベースの場合はルートとオクターヴ上を交互に弾くパターンのことで、ディスコ系、クラブ系の曲でよく出てくる王道のリフです。
基本的なパターンはこういう感じで全部8分音符のパターンです。
シンプルで簡単そうに見えるけど、弦跳びフレーズの連続なので、右手をバタバタさせないとか、音価を一定にするとか、意外と難易度高いです。
ただ、これはまだいいとしても、これのバリエーションで、オクターヴ上が2音連打になってるこういうパターンもけっこうよく使われるんですけど、僕、これ系のパターンを弾いてるとすぐに右手が疲れちゃうし、速いと弾けないしで、昔から本当に苦手でした。
基本パターンの場合は、指の長さ的に低い音をi、高い音をmで弾くことが多いと思います。
このバリエーションのも、指の長さ的に低い音をiで弾くんですが、高いほうの2音をi-mと弾くかm-iと弾くかで、2バージョンあります。
右手の運指①
低いほうをi、高い2音をi-mと弾くバージョンです。
これは、8分音符だけのシンプルなオクターヴを1フィンガー、iだけで弾いて、そこに16分4つ目の音をmで追加する感じです。
右手の運指②
低いほうをi、高い2音をm-iと弾くバージョンです。
これは、8分音符だけのオクターヴを2フィンガーでi-mと弾く運指に、iで弾く16分4つ目の音を追加する感じです。
ポイントは、16分4つ目のiと次のルートのiが連続することで、レイキングっぽいやり方で弾きます。
どっちの運指も僕的にはやりにくいんですよね。何が大変かって、まあ曲の一部分にこういうリフが出てくるだけならまだいいんですが、クラブ・ミュージック系の曲だと最初から最後までずっとオクターヴ奏法だったり、しかも曲が長かったり、次の曲もオクターヴだったり、ってことが多くて、リラックスした弾き方と持久力を身につけておかないと、途中できつくなってきます。
これで問題なく弾ける人はいいんですが、僕みたいに“これ苦手!”っていう人には、次に紹介する運指をお勧めします。
右手の運指③
はい。ルートを親指で弾きます。高いほうの2音は僕はm-iで弾きますが、もちろんi-mでもいいです。
ポイントは、この弾き方に限りませんが、力任せで弾かないことです。親指で力任せに弾くと、ルートがバチッて音になっちゃって、あんまりいい音じゃないです。オクターヴ奏法以外の指弾きも含め、すべての弾き方をリラックスした弾き方にしましょう。
この弾き方だと、弦跳びで手首を動かさないので楽だし、速いテンポで弾くのも楽なので、お勧めです!
ちなみに、この弾き方をやり始めた頃は、めちゃくちゃ楽だっていうのは嬉しいんだけど、なんかズルしてる気がするというか、“あいつ変な弾き方してんな”って思われたくないな、なんて思って気後れしてました。でも、あるときYMOのライヴ映像を観ていたら、細野晴臣さんもこうやって親指を使ってオクターヴを弾いてたんですよ。
もう、YMO、細野さんといえばテクノポップの第一人者ですから、その細野さんがオクターヴを親指と中指で弾いてるってことは、むしろこの弾き方こそ正統派!(かも)ということで、それ以降は堂々とこの弾き方で弾いてます。普通のシンプルなオクターヴ・フレーズも親指を使って弾いてます。
ということで、オクターヴ奏法が苦手な人は、ぜひ親指使ってみてください。
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石村順
◎Profile
いしむらじゅん●元LOVE CIRCUS、元NEW PONTA BOX。日食なつこ、ポルノグラフィティ、東京エスムジカ、K、JUJU、すみれ、大江千里、松山千春、宇崎竜童、石川ひとみ、種ともこ、近藤房之助、豊永利行、Machico、紘毅、城南海、西田あい、つるの剛士、SUIKA、Le Velvets、葡萄畑など、多数のライヴや録音に参加している。ロングセラー『ベーシストのリズム感向上メカニズム グルーヴを鍛える10のコンセプトとトレーニング』の著者。Aloha Bass Coachingではベース・レッスンのほか全楽器対象のリズム・レッスンを行なっている。
◎Information
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