NOTES
“めし”をテーマに、プロ・ベーシストに音楽活動の活力になるようなお店やお気に入りのメニュー、そのほか“食”にまつわる思い出深いエピソードを語ってもらう本連載。今回登場するのは、ロック+ファンク・サウンドを標榜するバンドSCOOBIE DOの屋台骨を、グルーヴィなベース・ラインで支えるナガイケジョー。彼にとってのソウルフードは、いつも出演しているライヴハウスの横にあった!
指を脂ベタベタにしてカブリついてもまだ足りない!
“鶏は三歩歩けば忘れる”なんて諺から、酉年の人(=私)は忘れっぽいと言われることもありますが、いえいえ失敬な、美味しかった食べ物くらいはしっかり覚えてます。焼き鳥に唐揚げ、参鶏湯に水炊き……ってアレ?どれも鶏料理ばっかり、何コレ? 忘れっぽいどころか酉年が共喰いして鶏の怨念が私の脳内を乗っ取っちゃったのか知らん? いくら思い出そうにも頭のなかは鶏のことばかり。ツアー先で頻繁にチキンラーメンを食べてしまうことを今ここで議題に挙げても仕方がない。途方に暮れて空を見アゲテも埒が明かない。だったらいっそ鶏を丸ごと揚げてしまえ。ということで辿り着きましたのはコチラ、東京は世田谷区にありますフライドチキンのお店=POOTLEさん。
今年祝15周年を迎えたライヴハウス新代田FEVERに併設する形で2020年にオープン。初めてお目見えした際には、ライヴハウスでフライドチキンとは発明ですね、と試しにいただいてみると、うまい! ハーフサイズでもひとりには充分すぎるほどのボリューム感、しかも鶏のムネ肉を良質な油でしっとりジューシーに揚げているので見た目の重量感とは裏腹にサクッとライトな口当たり、食べ始めると手が止まらなくなる。さらにライヴ後とあっては、“血だ、血が足りねぇ!”のルパン三世(映画『カリオストロの城』より)状態なもので、指先にフィンガーイーズいらずの脂ベタベタにしてカブリついてもまだ足りない(もちろんナイフとフォーク&お手拭きも付いてきますが)。
フライドチキン w/ フレンチフライ ハーフサイズでもこのボリューム感。氷入りビールも添えて。
加えて忘れちゃならないのがソース。私のオススメはパクチー&ミント。一段と香り高くなってつい鼻歌を口ずさみたくなりますね。コッコッコケーコケー♪ おや? これはザ・ミーターズの「Chicken Strut」でしょうか。すみません私としたことが、ついファンキーになっちゃって。
やっぱりフライドチキンと言えばファンク。逆に言えば、ファンクを志すものはフライドチキン頬張って指先を脂ギトギトにしてこそナンボです。全身の関節に脂を差してステップ踏む足も滑らかに。ディアンジェロの「Chicken Grease」って曲もまさにそんなダンスを促すナンバーだったり、どれだけ軽快なステップ踏めるかは実際に実地で試してご覧なさい。いつか?って、FEVERではエブリバデのファンキーな味方= SCOOBIE DOが頻繁にライヴやってるらしいぜ。まずはフライドチキンで腹ごしらえして、ファンキーに踊るキミの姿を見せてくれ!
揚げたてのフライドチキンをいただける歓びに溢れた表情の筆者。
POOTLE
東京都世田谷区世田谷区羽根木1-1-14 新代田ビル1F FEVER内
環七通り沿い、新代田駅より徒歩1分のライヴハウスFEVERの横に併設されている。写真の看板が目印だ。
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【Profile】
ながいけじょー●ロックとファンクを融合した4人組バンド、SCOOBIE DOに2001年よりベーシストとして参加。60〜70’sのオールドな質感を持ったプレイが特徴で、軽快なステップを踏みながら演奏する熱いライヴ・パフォーマンスにも定評がある。2024年9月に両A面シングル『コンプライアンスブルー / ファンキー特急』をライヴ会場&通販限定リリース。現在、ツアー「Funk-a-lismo! Vol.15」開催中(ファイナル公演は12/28 渋谷CLUB QUATTROにて開催)。個人としては、2016年より自身のソロ・ライヴである「ナガイケジョー独演会」を定期的に開催している。
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