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    ニュー・ベース【高松浩史の音色探索 その箱の中は地獄より深い】– 第13回

    生粋のエフェクター・フリークとして知られる高松浩史による、以前本誌にて掲載していた当連載がBM Webにて復活! マニアックなものからビギナー向けのお勉強企画まで、豊富な機材知識を持つ高松がエフェクターを語り尽くします。第13回は、エフェクターではなく、ESPよりリリースされる自身のシグネイチャー・ベースを紹介してくれた!

    ニュー・ベース

    Bass Magazine Webをご覧の皆様、ごきげんいかがでしょうか。高松浩史です。

    なんと、ESPから高松浩史シグネイチャー・モデルが販売されることになりました!

    名前はHTB-01 “Obsidian”……!https://espguitars.co.jp/productinfo/44804/

    かなり拘って作っていただいたので、今回はこのベースについて少しお話ししようかと思います。

    僕はもともとL’Arc〜en〜CielのtetsuyaさんのBASS IVというモデルを自分仕様に魔改造したベースを使用していました(かれこれ10年以上使用しています)。今回のHTB-01 “Obsidian”も、そのベースをもとに作っていただきました。

    HTB-01″Obsidian”。ボディは半艶消しのブラックで極薄ラッカー塗装にしてもらいました。既にちょこちょこと傷が……味ですね。

    まずはこのシェイプ。とにかく見た目がカッコいいですよね。トラディッショナル感とビザール感がうまく混ざっていて最高です。弾いてみるとハイ・ポジションが弾きやすかったり、大きめなボディのおかげで抱えたときに安定感があると思います。その分なかなかに重いのですが……。

    次にピックアップ配列。基本的にPタイプ(フェンダー社のプレシジョン・ベース・タイプ)のピックアップが載っているベースが好きで、このベースもPタイプにしています。個人的にPタイプのベースって、ベースのいるべき場所にスッと収まってくれるような感覚があって、すごく好みなのです。ロー・ミッドあたりの押し出しが強いというか。

    あとは音色のバリエーションを増やしたかったので、リアにJタイプのピックアップを載せています。フロントと合わせて、いわゆる“PJタイプ”と呼ばれる配列ですね。個人的にはほとんどリアは鳴らさないのですが、ピッキングする際に指を引っかけたり乗せたり、演奏面でもあると便利だったりします。

    コントロール系統は、スタック・ノブだったり、ダミーのスイッチだったり、完全に見た目ですね。特にダミーのスイッチはなくしてしまうと見た目の印象がかなり変わってしまうので、必須、という感じです。

    “見た目”つながりですと、ボディ・カラーは半艶消しのブラックにしてもらいました。通常のブラックとマット・ブラックの中間で、渋くて素敵です。薄めのラッカー・フィニッシュなので、弾いていくうちにその人ごとの味が出てくると思います。あと、ヘッド・シェイプもオリジナルです! ESPのヘッド・シェイプにほんの少し手を加えたくらいなのですが、気に入っています。

    最後にネック・シェイプ。一般的にJタイプ(ジャズ・ベース・タイプ)はナットの幅が38mm、Pタイプ(プレシジョン・ベース・タイプ)は42mmになっていることが多いのですが、このベースは40mmにしています。僕はネックが太いベースの音が好きで、最初は42mmにしようかと思っていたのですが、市販化されるということもあり、JタイプとPタイプの間をとって40mmにしました。そこまで演奏しにくい感じもないですし、音も良い感じなので、うまくまとまったかなと。

    以上、今回は僕のベースについてでした。

    完成してから、The Novembersのツアーやサポート現場などで使用していますが、見た目も音も良くてとても気に入っています。僕の名前はついていますが、あまり“シグネイチャー・モデル”という意識はなく、“高松浩史プロデュース”くらいの感じに捉えて、いろいろな方に弾いていただけたら嬉しいです。

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    P.S.
    少しエフェクターの話を……。

    Electro-Harmonix社から、僕が普段愛用しているオクターバー”POG2”の後継機種、”POG3”が!https://www.ehx.com/products/pog3/

    オクターバーはなんだかんだでPOGを使用することがほとんどなので、これはかなり気になりますね。機能はもちろんですが、お値段もすごそう……(笑)。
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    それでは、今回はこのへんで。ご覧いただきありがとうございました!

    ◎Profile
    たかまつ・ひろふみ●栃木県出身。2002年に高校の同級生だった小林祐介(vo,g)とともに前身バンドを結成する。2005年からThe Novembersとしての活動を開始し現在までに8枚のフル・アルバムなどを発表している。2021年からは京(vo)、yukihiro(d)を中心としたプロジェクトPetit Brabancon、浅井健一&THE INTERCHANGE KILLSのメンバーとしても活躍している。その他、Lillies and Remains、圭、健康のサポート・ベーシストも務めている。Petit Brabanconは8月7日に2nd EP『Seven Garbage Born of Hatred』を発表している。
    ◎Information
    高松浩史 X Instagram