NOTES
1996年から2020年まで24年間にわたりベース・マガジンの人気連載として掲載されていた、かわいしのぶの「ある日の絵日記」が“リターンズ”としてBass Magazine Webで連載中。今回は7月の絵日記です!
ある日の絵日記 リターンズ
第10回
7月某日、1階で台所仕事をしていたらバツバツバツと突然激しい雨の音。ぎゃー。せっかく乾きかけている洗濯物が! せんたくものぐわあああ! マッハで階段をかけ上がり、その勢いのままベランダに飛び出し、“っしゃああ、助けにきたぞおおお!!”と洗濯物たちに向かって声をかけたところで、同じく洗濯物を取り込み中の向かいの家の奥さんと目が合い笑顔で会釈コンニチワ。自称ミュージシャンの近所付き合いはとても大切です。
7月18日、柴田聡子 Tour 2022 “ぼちぼち銀河”追加公演 @ 渋谷WWWX。柴田聡子inFIRE:柴田聡子(vo,g)、岡田拓郎(g)、かわいしのぶ(b)、イトケン(d)、ラミ子 (cho,perc)、Dub Master X(F.O.H.)。3年ぶりの全国ツアー、今宵の追加公演を含める全10公演、無事完走。柴田聡子バンマスはじめ、メンバー&スタッフ、お客様、たくさんの方に支えられての、終始楽しく実り多い旅でした。して、もうひとりというかもうひとつ、今回のツアーをカゲで支えたモノ……それはドラムのイトケンさんが旅に連れてきた“筋膜リリースガン”。マッサージガンとも呼ばれるソレは、移動中の車中で、楽屋で、疲れたメンバーの足腰を“どどどどど”と工事現場のドリルのように叩き割りほぐし整え、トリコになったメンバーがひとり、またひとりと同じものを買い、旅の終わりにはメンバー6人中5人が所有する事態に。ライヴの物販に並ぶ日も近いかもしれませんな(並びません)。
7月22日、仙波清彦師匠率いる“仙波の桃源郷”、ライヴ・リハーサル。メンバーそれぞれやりたい曲を持ち寄ったところ、シャカタクの「Night Birds」から「大江戸捜査網」まで網羅する壮大なメニューに。一番難儀な課題はシャカタクを恥ずかしがらず、かつ、笑いに落とし込まず、かつ、うっかり本気にならぬように演奏することである。80年代のアーバンなミュージック、難儀である。
7月23日、大友良英さんのラジオ番組、NHK-FM“ジャズ・トゥナイト”を聴く。今宵は巨匠・チャールズ・ミンガス特集。90年代初頭、ニューヨークのタイム・カフェという店に“ミンガス・ビッグ・バンド”を観に行き、“あの人が有名なミンガスさんか~”と、ベースを弾く男性をガン見していたヤングな私よ、落ち着いて聞いてほしい。お前が観ていたのはミンガスさんではない。ミンガスさんは79年に死んでいる。
『死んでいたとは お釈迦様でも 知らぬチャールズおとミンさん』
【Profile】
かわいしのぶ●1971年生まれ、東京都出身。高校一年でベースを始める。1991年にSuper Junky Monkeyを結成し、1994年、ソニー・レコードよりデビュー。日本とアメリカを行き来しながら活動を続け、1999年に活動休止。2009年からは3人で活動を再開した。かわい個人は現在、大友良英スペシャルビッグバンド、柴田聡子 in FIRE、坂田明、パンチの効いたブルース&オウケストラ、プノンペンモデル、world’s end girlfriend、bikke&近藤達郎など、ベーシストとして幅広い活動を展開している。カレーが大好き。
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◎ベース・マガジン×かわいしのぶ
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