元タカラジェンヌの歌手で女優のAKANE LIVが率いるシンフォニックメタル・バンド、LIV MOONが、フル・アルバムとしては 2012年に発表した4th アルバム『THE END OF THE BEGINNING』以来10年以上ぶりとなる新作『OUR STORIES』をリリースした。

参加メンバーは、デビュー以来バンドの楽曲を手がけてきた西脇辰弥（k）を筆頭に、ギターにKENTARO（DAIDA LAIDA、元Gargoyle）とISAO（浜田麻里 、soLi、他）、ドラムに前田遊野（仮 BAND、他）と原澤秀樹（MAHATMA、ALHAMBRA）、ヴァイオリンに星野沙織（soLi、他）、そしてベースにMASAKI（DAIDA LAIDA、CANTA、地獄カルテット、元ANIMETAL、他）というテクニシャン揃い。タイトルが物語るように、よりバンド・サウンドを高めた作品となっている。

硬質な音色でボトムを支えつつ、要所で大胆にヴォーカルと絡むベースがMASAKI印な「Daybreak」、ベースの粒立ちの良い刻みとスピーディなユニゾン・ラインがメタル感を高める「Addiction」、ワルツのリズムで優雅に進むかと思いきや激烈なビートが炸裂し、エンディングではベースが強烈にドライブする「Anemone」、フュージョン的なオシャレ感のある進行ながらハードなユニゾン・リフが交錯し、重厚なベースが随所でスリリングに浮かび上がる「Hourglass」、プログレッシブなギターの単音フレーズにとことんついていくベースがキレを見せる間奏やエンディングでの高速スウィープがMASAKIならではのアプローチな「Fighter」など、ベースも聴きごたえあり。

特に、MASAKIが作曲も手がけたドラマチックでメロディアスな「El Dorado」では、スピーディなオブリ、インパクトのあるスライド・ハーモニクス・プレイに始まりテクニカルなタッピングも含んだ強烈な速弾きに移行するベース・ソロ、ギター&ヴァイオリンとの超速ユニゾンが差し込まれるなど、本邦トップ・テクニカル・ベースが遺憾なく発揮されている。