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文学的な深みを持つ歌世界を、ジャンルレスかつモダンなバンド・サウンド・アプローチで送り届ける稀有なポップ・センスを持つバンド、odol。2014年に結成した彼らは、自らのバンド・サウンドをアップデートしながらこれまでに3枚のフル・アルバムをドロップしている。そして、6月9日に2年8ヵ月ぶりとなる4thアルバム『はためき』をリリースした。
新作『はためき』は、アプリ“radiko”や森永乳業といった、2019年〜2020年の間に受けたさまざまなクライアントからのオファーから制作された5つのタイアップ曲を含めた全9曲が揃う。ミゾベリョウ(vo,g)の柔らかい歌声で届けられる私生活のワンシーンを表わした牧歌的な曲は、聴き手のパーソナルな部分に深く染み込む有機的な味わいを持つ。その繊細な表現の一因となっているのが、剛柔兼ね備えたShaikh Sofian(シェイク・ソフィアン)のボーダレスなベース・プレイだ。軽快なシャッフル・ビートとストリングスの空白を埋めるような豊かな低音感が心地よい「小さなことをひとつ」、クレッシェンドするシンセ・ベースが曲の熱量を加速させる「未来」、大きなリズムを捉えるドラムに対してエレクトリック・ベースの8分のルート弾きが効果的にスピード感を生む「眺め」など、シンプルかつ存在感のあるプレイがバンド・アンサンブルの核となり、結果として歌の世界観を押し広げるための重要な要素となっている。
odolは今のシーンで聴くことができるデジタル感のある最新のサウンド・アプローチを取り入れるなど、常に時代に即したバンド・サウンドを奏でている印象だ。それでいて、“哲学的かつ牧歌的な歌の世界”という自分たちの強みを忘れないその姿勢からは、現代を生きるクリエイターらしい哲学を感じとることができる。彼らがどのような音楽をクリエイトするのか、今後も注目だ。
◎作品情報
『はためき』
odol
UK.PROJECT/UKCD-1198
01.小さなことをひとつ
02.未来
03.眺め
04.身体
05.虹の端(Rearrange)
06.瞬間
07.かたちのないもの
08.独り
09.歩む日々に
◎Official HP