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BLANKEY JET CITYの浅井健一(g,vo)がバンドを解散した直後、UA(vo)、TOKIE(b)、椎野恭一(d)とともに結成したAJICOは、一度の全国ツアーの開催とアルバム『深緑』のリリースをしたのち、2001年に活動を休止してしまう。ドリーム・チームと言える豪華なメンバーによるオルタナティブ・ロックをさらに拡張した抽象的な音楽表現はまさに唯一無二だった。日本のバンド史に鮮烈な印象を残した彼らが、20年の時を経て復活。新作EPのリリースとライヴ・ツアーの開催が発表されている。
5月26日に発売されるEP『接続』は、4曲で構成されている。ファンキーにうねるリフとスウィングするツイン・ヴォーカルがマッチする「地平線 Ma」、ソフトなニュアンスの演奏と壮大なUAの歌世界が心地よい「惑星のベンチ」、ジャジィな質感もあわせ持ったバンドのバランス感覚が体現された「接続」、隙間の作り方でグルーヴするバース部分とドライブ感のある間奏部分の対比が美しい「L.L.M.S.D.」など、既存の様式にとらわれない個性的なバンド・アンサンブルは相変わらずだ。そのなかでTOKIEのベースは核となる存在で、リズムの安定感やフレーズによる躍動感の付与はバンドの音楽性をさらに飛躍させている。「地平線 Ma」のバースではヴォーカルのリズムに追従しながらも付かず離れずの距離感でフレーズを展開して統一感を作り上げ、「接続」のBメロではリズムの取り方を倍にして大きな波を作ることで展開の“開き”を加速させるなど、第一線で活躍し続けるベーシストとしての腕前を遺憾なく発揮している。
AJICOは、5月29日の名古屋ダイアモンドホール公演を皮切りにライヴ・ツアー“Tour 接続”を開催予定。バンドは“生き物”とは言うが、彼らが再び活動しているうちに、なんとしても生の演奏を体感したいところだ。
◎作品情報
『接続』
AJICO
ビクター/VICL-65462
【収録曲】
1. 地平線 Ma
2. 惑星のベンチ
3. 接続
4. L.L.M.S.D.
◎Official HP