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【新製品レビュー】PHIL JONES BASS/CAB-17 〜汎用性に優れた小型キャビネット

  • Photo:Masao Sekigawa
  • Text:Makoto Kawabe

ベース・マガジン2025年8月号の「NEW PRODUCTS REVIEW」に掲載された、編集部注目の新製品をご紹介! 

プレイヤーの発想を駆り立てる汎用性に優れた小型キャビネット

PHIL JONES BASS/CAB-17

POINT

縦横30cm未満、奥行き25cm未満のコンパクトなベース用スピーカー・キャビネット。背面にポートを備えるバスレフ構造で、7インチ・ウーファーと3インチのコーン型ツィーターを1基ずつ搭載。インピーダンス8Ω、許容入力100Wrms、重量5.9kgとなっている。アイディア次第で多目的に活用できるアイテムだ。

PHIL JONES BASS/CAB-17
背面には見るからに音響特性に優れていそうな流線形のバスレフ・ポートを備えている。入力はスピコン端子をふたつ装備しているため、複数利用のパラレル接続にも対応しやすいだろう。
PHIL JONES BASS/CAB-17
PHIL JONES BASSの超小型ヘッド・アンプBP-200と組み合わせ、CAB-17を2台をパラレル接続した様子。縦に積み重ねて使うと音圧とともに低音域の量感が増した印象を受けた。
PHIL JONES BASS/CAB-17
続いて左右に離して設置すると音像が大きくなる印象を受けた。シチュエーションに応じて小型サイズを生かしたさまざまな用途に活用できそうだ。

REVIEW

7インチのウーファーと3インチのコーン型ツィーターの組み合わせは従来のPJB製品(型番の末尾が“7”のコンボ・アンプやキャビネット)でも定番であり、どのモデルも高音域のアタックが刺さらず、全帯域でつながりがスムーズな音色、という共通点があった。

本機はこの組み合わせにおける最小のキャビネットだが音色傾向は従来製品と同じく、レンジが広くまとまりがある音色と感じる。小型サイズゆえに音圧感は得にくいが、バスレフ・ポートの効能もあって低音の量感は間違いなく筐体サイズ以上に充実している。

とはいえこれは単体利用での印象で、2台を縦に積み重ねて同時に鳴らすと音圧感や低音域のプッシュ感が増す。スタジオのモニター・スピーカーのように左右に離して設置すると、個体差の少なさ故か一体感を保ったまま音像が大きくなり立体的に聴こえる。

小型サイズだけに大音量で音圧を感じながらモニタリングするような用途には適さないが、耳元の高さに設置するとか、縦に積み重ねて狭いスペースを有効活用するとか、本機特有の機動力でライヴでのモニタリング環境をブラッシュアップできそうだ。

重量は5.9kgとこのサイズにしては軽いとは言い難いが、音質を優先してフェライト・マグネットのウーファー・ユニットを採用しているので致し方ない面もあり、サイズが小さく持ちやすいので重さはさほど気にならない。むしろ設置時の安定感が増すというメリットもある。

同社の超小型ヘッドBP-200と組み合わせてミニ・スタック・アンプとして活用するのも◎。ルックス、音質の両面でオススメできる。

PHIL JONES BASS/CAB-17

【スペック】
●搭載ユニット:1×7″ウーファー+3″ツィーター
●許容入力:100 Wrms
●入力端子:スピコン・コンボジャック×2
●外形寸法:289(W)×289(H)×248(D)mm
●重量:5.9 kg

【価格】
オープンプライス(市場実勢価格:35,200円)

【問い合わせ】
JESインターナショナル ☎ 0561-72-9801 https://pjbjapan.com/


※本記事はベース・マガジン2025年8月号の「New Products Review」から転載したものです。
※価格は本誌掲載時のものです。