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【新製品レビュー】Ibanez/AEGB25E-TKH〜洗練された個性派エレアコ・ベース

  • Photo:Masao Sekigawa
  • Text:Makoto Kawabe

ベース・マガジン2025年8月号の「NEW PRODUCTS REVIEW」に掲載された、編集部注目の新製品をご紹介! 

希少な木材を各所に使用した洗練された個性派エレアコ・ベース

Ibanez/AEGB25E-TKH
Ibanez/AEGB25E-TKH

POINT

フィンガー・レストが装備されたエレアコ・ベースAEGBシリーズで、ボディ・トップにフレイム・メイプルを採用したニュー・モデル。ボディ・バック&サイドはサペリ、ネックはメイプルとニャトーの3ピース、指板はローズウッドで、32インチのミディアム・スケールとなっており、チューナー機能と2バンドEQを装備する。

指弾きがしやすいように立体的に成型されたフィンガー・レストがネジ止めされている。プレイアビリティの安定性とともに、アコースティックな雰囲気を崩さないデザイン性も秀逸だ。
ボディ・サイドにはコントロール・パネルが装備されており、ベース、トレブルの2バンドEQによって音色調整が可能だ。チューナー使用時は出力がミュートされるが、プラグインしていなくても機能するのも便利。

REVIEW

 ヘッド・トップとボディ・トップに木目の美しいフレイム・メイプルを採用し、ダークなカラーリングで仕上げた、大人の雰囲気が漂う一本。立体的に成型されたフィンガー・レストはやや大型で存在感があるが、絶妙なデザインでルックス面での違和感は少ない。ボディ・サイド&バックのサペリはソリッド・ボディでは馴染みが薄いが、アフリカ原産でマホガニーに似た木材。ネックに用いられたニャトー(別名:ナトー)は東南アジア原産で、こちらもマホガニーに似た木材とのこと。ナット幅は一般的なエレキ・ベースよりも広めの43mmで、ネックもアコギ然としたややガッチリとしたシェイプだが、32インチのミディアム・ゲージの恩恵もあって押さえにくいほどではなく、単音弾き中心のアプローチではむしろ弾きやすいと感じた。工場出荷時にはブラックのカーボン・コーティングを施した80/20ブロンズのラウンド弦が張られており、鳴り感や手触りも好印象。生音はボディの鳴りをたっぷりと感じ取れ、包容力のある柔らかな音色が耳に心地いい。

 装備されたフィンガー・レストを生かして指弾きでエレキ・ベース風のフレーズを奏でるのも良いが、ピック弾きのほうがアコースティック・ベース特有のニュアンスやブロンズ弦のスズ鳴り感を引き出しやすいようにも感じた。ライン出力の音色はピエゾ・ピックアップ然とした明瞭な輪郭と煌びやかさが印象的。2バンドEQで補正するとバランスの良い音色になりそうだが、録音でもライヴでも可能な限りマイクを立て、ラインとマイクを併用したほうが本器の特色を生かせると思う。

IBANEZ/AEGB25E-TKH

【スペック】
●ボディ:サペリ(バック/サイド)フレイム・メイプル(トップ)
●ネック:ニャトー/メイプル(3P)
●指板:ローズウッド
●スケール:32インチ
●フレット数:21
●ピックアップ:オリジナル・アンダーサドル
●プリアンプ:オリジナルAEQ-2Tプリアンプ
●コントロール:チューナー(オン/オフ)、ベース、トレブル、ヴォリューム
●ブリッジ:ローズウッド・ブリッジ
●ペグ:ブラック・ダイキャスト・チューナーズ
●カラー:トランスペアレント・ブラック・サンバースト・ハイ・グラス

【価格】
90,200円

【問い合わせ】
星野楽器販売 ☎0561-65-5600 https://www.ibanez.com/jp/


※本記事はベース・マガジン2025年8月号の「New Products Review」から転載したものです。
※価格は本誌掲載時のものです。