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黒柳能生(SOPHIA)が語る愛器:VELLMOR GUITARS製BP-K【連載:My Dear Bass】
- Text : Gentaro Yamamoto
- Photo : Hiroki Obara
プロ・ベーシストが愛器への想いを語り尽くす連載「My Dear Bass」。今回は、2022年から本格的に活動を再開したヴィジュアル系ロック・バンドSOPHIAのベーシスト、黒柳能生が登場!
煌びやかでポップな楽曲をロックスピリッツあふれる低音で支える黒柳能生のニュー・ベースは、彼の“カッコ良さ”にこだわる美学と、愛猫への思いで彩られた唯一無二の1本となった。
黒柳能生(SOPHIA)所有の
VELLMOR GUITARS “BP-K”
DATA
●入手年:2024年●ボディ:アッシュ●ネック:ハード・メイプル●指板:エボニー●ナット:ドライ・カーボン●スケール:34インチ●フレット数:21●ピックアップ:ベルモアギターズ特注MMB-4-AL(フロント:ダミー) 、セイモア・ダンカンSMB-4(リア)●コントロール:ヴォリューム●ブリッジ:ゴトー404BO-4●弦:DR NEON Hi-Def PINK
パーツからフレットから真っ黒で、このネオン弦が映えるベース
このベースは、このDRのネオン弦(NEON Hi-Def PINK)を張りたくて作ってもらいました。パーツからフレットから真っ黒で、この弦が映えるベースってことだったんですけど、今使っているベルモアギターズのサンダーバード・タイプやモッキンバード・タイプみたいな変形ベースだと焦点がボヤける感じがしたんで、オーソドックスなシェイプにしてもらったんです。
流石に黒いフレットはなかったので黒く塗ってもらったんですけど、すぐ剥がれちゃったんで、自動車用の塗料を使って自分で塗り直しました。ただ、このピンクの弦って、コーティングされているぶん太く感じるし、目がチカチカする。ライティングによってはポジションを見失いやすいんですよね(笑)。
デザインやパーツ、色などは俺がラフを手描きして渡したんですけど、ボディのトップに入れるメッセージの配置を考えている時に、何かしっくり来ないところがあったんですよ。丸っこい文字ばっかりでちょっとバランスが悪く感じたんで、MA“G”ICではなくて、MA“S”ICにしたんです。MUSICに寄った感じもあるし、SOPHIAの頭文字もSだからピッタリだなと(笑)。ちなみにこの文字の部分は、昔トヨタから出ていたクラウンのピンク色と同じ色にしてもらっています。
ピックアップはベルモアギターズの特注ハムバッカーが2つ付いていたんですけど、リア側は昔から使い慣れたセイモア・ダンカン製に交換してフロントはダミーにしています。コントロールは俺の他のベースと同じで、肉球型に配置してもらっていますけど、一番大きなノブがヴォリュームで、あとはダミーです。
デザインとかも含めて、こんなことやっているのは俺だけだろうなって思うんですけど、我ながらカッコいいベースになったなと思います。80年代のロック・ミュージシャンって、みんなそれぞれのトレードマークになる楽器を持っていましたよね。それが元は市販品であっても。そういうのに憧れたし、俺の中ではすごく大事なこと。上手い下手よりカッコいいことがすべてです。
Profile

くろやなぎ・よしお●1972年生まれ、愛知県出身。名古屋でのインディーズ・バンド活動を経て、1994年にSOPHIAに加入し、翌年メジャー・デビューを果たす。2013年のSOPHIA活動休止後は音楽業界を離れるも、2022年の活動再開と共に復帰。ベルモアギターズのオーダー変形モデルをメインとしつつ、自身の眼鏡に適った“カッコいい”ベースを複数所有。Xやnoteで、日々の雑記やベーシスト向け経験談などを配信している。
◎Information
SOPHIA
Official HP X
黒柳能生
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Information

『GIRLS and』
トイズファクトリー/TFCC-81133
通常盤
2024年にSOPHIAの30周年記念プロジェクトの一環としてリリースされた『BOYS and』と同じく、デビュー・ミニ・アルバムの『GIRLS』をオマージュした新作。全7曲収録で、『GIRLS』からは「MY SELF」「もしも君が迷ったなら」をリレコーディングした。完全新曲の「サヨウノヨウナラ」は穏やかな導入から一転、グロウル風な荒々しいヴォーカルもフィーチャーした激しくも軽快な楽曲。中域が主張する黒柳のベースは、アタックを出しながらも絶妙な粘りを見せる。