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ヘンリック・リンダーと愛器: Mattisson HL-6【My Dear Bass】
- 撮影:星野 俊
- 通訳&文:坂本 信
ダーティ・ループスで鮮烈なデビューを果たし、瞬く間に世界を席巻した技巧派、ヘンリック・リンダー。昨年スーパー・フュージョン・ユニット“SLAK”として来日公演を行なったヘンリックに、彼の多彩なテクニックを余すことなく表現する愛器への思いを語ってもらった。
ヘンリック・リンダー所有の
Mattisson Basses Series IV HL-6
DATA
●入手年:2014年●ボディ・ウイング:ウェンジ(トップ)、アルダー(バック)、アッシュ(センター・トーン・ブロック)●ネック:メイプル&ウェンジ&アッシュ(5p)●指板:ウェンジ●ペグ:ヒップショットUltralight 3/8 with Bass Xtender●スケール:33インチ●フレット:True Temperament Stainless steel●フレット数:24●ピックアップ:EMG 45TW×2●コントロール:ヴォリューム×2(兼コイル・スプリット・スイッチ)、ベース、ミドル、トレブル●プリアンプ:マティソンActive preamp●ブリッジ:ヒップショットA STYLE
僕にとっては完璧な楽器だし、
この先何事も無ければ一生使い続けたい
6弦ベースは18歳の頃から使っているから、今年で22年になるね。16歳のときに習い始めたロベルト・スンディンというベースの先生が6弦の楽器を使っていて、僕も試してみて気に入ったのが、6弦を使い始めたきっかけだった。今メインで使っているこのマティソンのベースは2014年に作ってもらって以来ほとんどの仕事で使っているんだ。
マティソンのオーナーのアンダース・マティソンとはそれ以前から協力関係にあって、最初に試してほしいと言われたプロトタイプは、ダーティ・ループスがカヴァーをやっていた頃に1年ぐらい使った。その後、僕の要望を伝えたり、彼が僕の演奏スタイルに合うと思ったアイディアを追加してくれたりして出来上がったのがこのベースというわけ。僕にとっては完璧な楽器だし、長年使ってきてレスポンスも身体に染みついているから、この先何事も無ければ一生使い続けたいと思っているよ。もう1本のピンクのベースもこれを基にしていて、スラップを多用するときのためにメイプル指板のボルトオン・ネックという仕様で作ってもらったんだ。
もともと僕は、スラップと指弾きと両方に対応できる楽器が欲しかった。メイプル指板の楽器はスラップには良くても指弾きだとイマイチだけれど、このベースは指弾きに寄せた楽器でありながら、スラップでもかなり良い感じで使えるんだ。あと、僕は手が小さめだから、6弦でコードが弾きやすいように、スケールは少し短めの33インチになっている。 ピックアップはEMGで、シングルコイルとハムバッキングの音量が揃うようにできると言われたけれど、ソロでブリッジ側をハムバッキングにした時のブースト効果が欲しいことがあるから、あえてハムバッキングで音量が上がって音が太くなる状態のままにしてもらっているんだ。
今回のSLAKはキーボード・トリオにサックスが加わった編成で、曲も綿密にアレンジされたダーティ・ループスのものとは違って即興の余地も多い。演奏する度に変化することを想定してあるから、その瞬間に感じたことを表現していきたいと思っているよ。
Profile
ヘンリック・リンダー●1985年3月16日生まれ。スウェーデン出身。中学生の頃にベースを手にする。16歳よりセッション活動を開始し、王立ソードラ・ラテン音楽学校でジョナ・ニルソン(vo,k)、アーロン・メルガルド(d)と出会ってダーティ・ループスを結成、一躍世界的注目を浴びる。“チョパレボ”を含む多数のセッションでも活躍し、ビョーン・アルコ(sax)、川口千里(d)、白井アキト(p,k)と結成したSLAKは現在音源を鋭意制作中だ。
◎Information
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『BEAGLE』
ダーティ・ループス
配信リリース
2024年にリリースされた、全5曲収録のEP。冒頭曲の「Run Away」では、「Follow The Light」(2021年)のベース・ソロで使ったグリッチ風サウンドを、アーロン・メルガルドのアイディアでスラップと交互に織り交ぜ、録音後に編集で部分的に切り刻んで順番を入れ替えるなどして再構成したという。ギター・サウンド的なエフェクターはボスのSY-200とフラクタル・オーディオ・システムズのFM9の組み合わせ。ラストを飾る「Living For The City」の長尺ベース・ソロも聴き所だ。








