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TONEX “Pedal Bass Edition”をParkが徹底試奏! アンプ名機の数々がこの1台に
- Photo:Chika Suzuki
- Text:Makoto Kawabe
高品質な各種ベース・アンプのサウンドと定番エフェクターを、コンパクトな筐体に内蔵するベーシスト垂涎のアイテム、IK Multimedia・TONEX Pedal Bass Edition。多くの名アンプを手に入れるのと同義と言える本機は、ライヴやレコーディングなど、場所を選ばず活躍できる今注目のアイテムだ。
その特徴や魅力を検証するため、アンプ・シミュレーターはもちろんアンプの実機にも知識のあるベーシスト/プロデューサーであるParkに、この注目機器の徹底試奏をお願いした。アンプ・サウンドには一家言のある彼が感じた、本機の実力はいかに――。
TONEX Pedal Bass Editionとは
「時代を超えた名アンプのサウンドを、この一台で再現」

ベーシストなら誰しもが憧れる往年の名機や定番とされるベース・アンプ/キャビネット/エフェクターの数々を最良な状態でキャプチャーし、これらを組み合わせて作成された150種類の“トーン・モデル”を収録したプラグイン・ソフトTONEX Signature Bass Collectionを、ステージやスタジオなどに持ち出すべくハードウェアに落とし込んだのが、このTONEX Pedal Bass Edition。
各トーン・モデルは、同系統で歪み量が異なる音色などが3つ(A、B、C)のスロットにプリロードされ、これを1バンクとして全50バンクがフット・スイッチでセレクトしやすく振り分けられており、コントロール・パネルに並ぶゲインや3バンドEQなどで歪み量や音色を直感的に微調整できるほか、コンプレッサーやリヴァーブなどといった15種類のオンボード・エフェクトで音色効果を緻密に施すことも可能。そのほかIR ローダー、チューナー機能も装備する。
収録されているベース・アンプは、Acoustic、Aguilar、Ampeg、Fender、Gallien-Krueger、Hartke、Markbass、Marshall、Orange、Trace Elliot、Traynor……と錚々たるブランド名が並び、定番からレアなモデルまで幅広く網羅している。ペダル系もDarkglass、EXH、Tech21などの定番プリアンプやファズをはじめ、Proco RATやFulltone OCDなどベース用エフェクトとしてはやや意外な機種名も見つけることができる。
出力はステレオ対応でヘッドフォン出力も装備。MIDI IN/OUT、Ext.Control端子により外部機器によるコントロールも可能だ。堅牢なアルミ筐体を採用しており、ロー・ノイズで、ダイナミック・レンジ123dB、周波数特性5~24kHz、サンプリング・レート192kHz/24ビットと極めて高い解像度を誇るほか、44.1 kHz /24ビット の USB オーディオ・インターフェイスとしても動作する。
Specifications
●入出力:インプット、アウトプット(L/モノ、R)、ヘッドフォンズ、MIDI(イン/アウト)、エクスターナル・コントロール、USB ●電源:9Vアダプター●サイズ:176 mm(W)×55 mm(H)×142 mm(D) ●重量:906 g
●価格:79,200円(税込)
製品ページ
TONEX Pedal Bass Edition × Park
僕が活用するなら、やっぱりライヴ。アンプの代わりに使ってみたい

◎普段の制作環境やシミュレーターの使用用途
「TONEXは印象の良いプリセットを、パッと選んで微調整するくらいがいい」
IK Multimediaの製品はAmpliTube 3くらいの頃から使っていて、TONEX MAXとAmpliTube 5は実際の制作でも結構使っています。元からある音色はこのブランドの音色として確立していて、以前に比べると進化したというよりも選択肢が圧倒的に増えた印象ですね。
基本的にベースはラインで録っておいて、ラインで音作りが完結するようなスタイルではあるんですけど、クライアントに音色のバリエーションや自分の方向性を提示したいときとかにアンプ・シミュレーターを使います。TONEXはギターよりもベースで使うことが多いかな。ギターを録るときは完全にかけっぱなしの掛け録りで使うことが多いですね。
僕がアンプ・シミュレーターの音色を使うときはロー成分のキャラクター付けのために使うことが多くて、ロー・パス・フィルターをかけて1kHzあたりより上(場合によっては500Hzより上)をバッサリ切って、そのモコモコしたボディみたいな成分をラインに混ぜてローの質感を作ったりするんです。
これ、実はライヴでもやってることがあって、DIとかのバランス出力を分岐させて片方にシミュレーターを通してます。実機のアンプを鳴らすより効果があることも多いですよ。
最近は会場の大きさの問題とか、編成の大きなアンサンブルとか、被りの問題でアンプを鳴らせない現場も多いですし。ベースの音作りはラインだけで完結するようにはしてますが、PAさんからアンプっぽい音色を求められることもありますし。
TONEX MAXで使うのはフェンダー系のBassmanとかAmpeg系が多いかな。AguilarとかGK系はクセが強めで、それだけで完結させるには良いけどラインとの混ざりでは少し苦労する印象です。もちろん特徴は捉えていますけどね。Bassmanを選んでいるのは、実機を弾いたこともありますけど、その印象は一旦外してブラインドで聴いていちばん混ざりが良い音を選んだ結果ですね。
TONEXのプリセットは数が膨大ですけど、単独では聴かずにオケに混ざった状態でブラインドで片っ端から聴いて、馴染みとか収まりが良い音色を選んでます。もちろん最初は機種のイメージで選ぶことも多いですけど、結局違う音色が良かったりすることも多いし、あんまり意地で特定のモデルにこだわらないほうが良い結果を生むと思います。TONEXはひとつのプリセットを作り込むよりも、印象の良いプリセットをパッと選んで微調整するくらいがちょうどいい使い方だと思います。
◎TONEX Pedal Bass Editionを 使ってみての印象
「この数なら絶対に好みの音色に辿り着けるし歪み系のプリセットも楽しい」
TONEX Pedal Bass EditionはプラグインのTONEXがそのままハードウェアに収まって気軽に持ち運べる!みたいな製品ですよね。音色の数がとても多くて気持ち良いロー感のプリセットが多いと思いました。これだけ数があれば好みの音色に辿り着けますよね。あと、歪み系のプリセットは楽しいですね。サンズ系はブーミーな感じからゴリゴリな音色まで幅広くて。モダンな歪みの選択肢のひとつとして、Darkglassもちょうど良いゲートがかかるのが良い感じでした。
位相は確かに良くなっている気がします。さっき言ったBassmanとかも位相が良いってことで選んでる面があります。位相が悪いと音が引っ込んだり、波形を前後に動かして調整しないといけなかったりするので。あとノイズは少ないのも好印象ですね。歪み系のトーン・モデルもノイズが少なくて、きっちり処理されている気がします。
デフォルトでプリセットされているトーン・モデルはAからCに向かうほど歪みが増える感じで並んでますけど、GAINツマミでも歪み量を変えられるので、そこは使用用途によって選べばいいんじゃないでしょうか。サイズ的にもアンプやキャビネットの上にポンって置いて使っても良さそうです。歪み量とかゲインの調整は筐体のコントロールでパッと調整できそうですけど、EQはTONEX共通で、アンプとラインのバランスを変えても両方にかかる仕様なので、そこは別々にかかるようにしてほしかったかな。

あと、アドバンスド・パラメータ(PARAMETERを押して編集する階層)にあるPRESENCEとDEPTHを併用すると、超高音域とスーパーローみたいな感じで実質5バンドEQみたいに使えるのが良いと思いました。3バンドEQは中心周波数とかミドルのQとかも弄れるので、家で音を作ってから、最終的な微調整はスタジオやライヴハウスで実際に音を出つつじっくり取り組むと良いでしょうね。
「自分が使うならラインの音を増強するような意味合いでアンプの音を混ぜます」
TONEX Pedal Bass Editionを実際に使うなら、やっぱりライヴですかね。アンプの代わりに使うとどうなるんだろうという興味はあります。これだけ音色の数があると、自分が今使っているシステムよりも良い音色が見つかるかもしれないですから。アドバンスド・パラメータのMODEL.MIXでドライのブレンド具合いだけでも音作りできるし、ほかのエフェクターで作った音のニュアンスを残したままTONEX Pedalの成分を足すみたいなやり方もできますね。もちろんアンプだけで音を作っても良いですけど、自分が使うならラインの音を増強するような意味合いでアンプの音を混ぜますね。
レコーディングではリアンプみたいな感じで使うのが良さそう。外のレコーディング・スタジオとかでアンプ・シミュレーターのプラグインが使えないときとかに活用できるかと思います。レンタルのベース・アンプってライヴ会場によっては状態が良くなかったりしますから、そういうときにはいっそアンプ代わりに使っても。これを使って自分の音を見つけたり、作っておくのも良いかもしれませんね。
◎Profile
パーク●1989年、滋賀県出身。クレイジーケンバンドを始めとしたアーティストのプロデュースや、ゆず、いきものがかり、森口博子といったアーティストのレコーディングなどで活躍。また、劇伴音楽やTVCM楽曲の制作など、多岐に渡った活動を行っている。gurasanpark名義でソロ活動も行なっており、2025年3月には最新ソロ・アルバム『Speedify』を発表した。
◎Information
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